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● TRACK AND FIELD 14  ●

 ゴールラインを割った勢いで、そのまま前に倒れこむ。
前にいたのはオレンジ、そして紫のユニフォーム。
紫のユニフォームは2コースにいた子。
ゴール直前に抜かれたのか。
それとも同着だったのだろうか。
―――まったく気づけなかった。
自分の走りができずに、焦ってしまった。
無意識のうちに、動揺して勝ちを急いだんだ。
予選でうまく行ったからって、安心してしまった。


 結果、2年女子100M準決勝2組3位。
2組からの+(プラス)は0。
あたしは準決勝敗退。


 終わった後、第二競技場でストレッチをしている時に結果が放送される。
風に乗る自分の名前を聞きながらも、今は何も頭に入らない。
あの場所で決勝を走りたかった。
もうそれは叶わない。



まだだ。
まだまだ、上に行きたい。
技術だけではダメで、心も強く持たないとダメなんだ。
考えている暇も、泣いている時間もない。




 その後、トラック組は全員準決勝敗退となった。
フィールド組は男子走高跳で展人が3位、牧村くんが8位入賞。
展人のライバルこと八城くんは6位だったそうで、結果発表後にものすごく悔しがっていたらしい。
川添さんが女子砲丸投げで11位と健闘した。
 
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